本記事ではnineシリーズ最終作(4作目)、ゆきいろの感想を記載します。
このゲームの特長
エロゲ業界の本気を見た
9nineの制作会社、ぱれっと。約15年前に「ぶらばん!」というソフトからスタートしたこのブランドは、衰退の激しいこのエロゲ業界に一石を投じてくれたと思います。
- それぞれのヒロインで独立したソフトにする新規性
- 足掛け3年でストーリーを回収する壮大さ
- 動くエロシーン
- 細かくデザインされたゲームシステム
今までエロゲに手を出した人であれば、だれでも「お、これ面白い!」と思うよな斬新さがあります。エロゲ業界を本気で良くしたいという、ぱれっとの執念の作品です。
圧倒的なツンデレ
これはね、もう^^;
圧倒的です。他の追随を許さない。他の3作で常にクールだった希亜が、この作品ではデレッデレになります。
勝利のカギは「生中出し」でした
明かされる新設定。ユーザ同士が体液を交換し合うと、お互いのアーティファクトの力を得る事ができる。思えば主人公、真面目な同級生から、コミュ障の先輩、果ては実の妹にまで生中出ししまくってましたが・・・・え!?!?その影響で全員に「オーバーロード」の力を与えてた!?希亜ルートなのに中田氏後の4人全員を一同に召喚してラスボスと戦闘!?
そんなのアリっすか^^;
シナリオ
希亜ルート①|強くてニューゲーム
今回はいきなり前作(1~3作目)の記憶を全て引き継いだ状態からのスタートになります。要するに強くてニューゲーム。
なので初回に遭遇したばかりのソフィさんに「久しぶりだな・・・俺は全て知っているぞ」と反応してしまったり、石化事件も全て先回りして封じ込めたりしています。
そして、ソフィと話し合った結果辿り着いたのが希亜が打倒イーリスの鍵であるという事。他のユーザーではイーリス(本体)に攻撃が当たらないものの、希亜だけは異世界に滞在するイーリスに対して直接攻撃が可能。しかし、希亜はどうやら”死”を恐れる傾向があり、イーリスに対する攻撃に抵抗がある模様。
その為、主人公は物語のスタートに戻って、希亜と出会う場所からやり直します。
▼ 初対面で「お前がカギなんだ!」と伝える主人公
全てを知っているおかげで、上手く都・天と接触してヴァルハラ・ソサイエティの結成に成功する主人公。
また、石化事件の犯人である与一に接触して事件の発生を防ぎます。すげえ。笑
この辺り前作で(なんとか・・・救いはないのですか・・・!)とか思っていたら本当に救われました。良かったね石化してた女学生さん。
▼ ピクニックしながら与一&女学生を待つヴァルハラの皆様
希亜ルート②|早期化するイーリスの攻撃
しかしここで想定外の出来事が。炎のユーザーが、想定外よりも早く暴走をします。
対応策として、こちらも早期に仲間を増やす主人公。蓮也・春風と接触し、共通の敵を倒すという名目で結託します。
春風の能力強化という名目で、猫好きのノアとの距離を急接近させる主人公。
▼ あら可愛い//
徐々にノアも主人公に心を開き、ノアの弱点である「他人に弱さを見せられない」という課題を見つけ、克服するために・・・
- ダラダラするノアとイチャイチャ
- 一緒にホラー映画をみてイチャイチャ
- コスプレでイチャイチャ
真面目に克服して下さい(泣)
まあ可愛いから許しますが(泣)
イチャイチャしすぎて主人公の事が好きになったしまったノアさん。勢い余って主人公に告白し、付き合い、勢い余って初日に二回戦の特濃セクロスをしてしまいます(こら)
しかし・・・・その現場になんと・・・・遊びに来た天が・・・
▼ アッーーーー!!!
▼ …..WOW(困惑)
▼ 「へえ…二回戦…」
本当はお兄ちゃん(主人公)に対し、叶わぬ恋心を抱いていた天。これもう完全にメンタル崩壊ですよね。好きな人のセクロス現場を見てしまうって…
希亜ルート③|イーリスに勝利!…のはずが
ヴァルハラ・ソサイエティで集まり、打倒イーリスの為に知恵を出し合うメンバー。しかし、肝心なイーリスに全く動きが無く膠着状態・・・と思われた矢先、イーリスが攻勢にでます。
街の人々が暴徒化。主人公たちに襲い掛かります。
暴徒を振り切り、なんとかイーリスの元に辿り着く主人公たち。ヒロインやゴースト、蓮也の力をフルに使い、全員でなんとかイーリスにスキを作ります。そこに、満を持してノアのアーティファクト「ジ・オーダー」が炸裂!!
▼ 哀れな神に突き刺さるパニッシュメント
ノアの渾身の一撃を受けたイーリスは消滅します。
街にも平和が訪れ、ハッピエンド。
・・・・あ、こんなにアッサリとイーリスさん討たれるのですねw
が正直な感想でした。強靭★無敵★最強と謡われていた割には、しっかりと対策した主人公にちゃんと倒されてしまう。まあ主人公のオーバードライブ(過去に遡る)がチート過ぎて、対策され過ぎちゃったからいくら神と言えども負けるよね。
そんな感想のまま、エンドロール。
・・・すると。
なんという事でしょう。場面は再度、イーリス討伐の場に戻ります。
イーリスを討伐して歓喜する主人公と仲間たち。え?こっから何か始めるの?と思った矢先。
与一とイーリスが現れます。
・・・まじかよ、今倒したやんけ!?
しかし、このイーリスは未来からオーバーロードを使い過去へ遡ってきたイーリスだったのです。なんと、倒したと思ったイーリスはギリギリ生きており、100年の歳月を経てオーバーロードを完成させ、再度過去へ戻ってきたのです。
そのまま与一&イーリスに皆殺しにされる主人公たち。
マジのマジに皆殺しにされます。
悲惨なくらい殺されます。
殺戮をゲームと考えている与一と、残虐なイーリスのタッグ。成す術もなく全滅させられ、泣きながら過去へ戻る主人公。
・・・・しかし、与一&イーリスも同じように過去へ戻ります。
同じように過去に戻った与一に、次々と仲間を目の前で殺されてしまう主人公。大切な人を目の前で失ってしまう辛さに心を痛めながらも、何度も諦めずに過去に戻る主人公。
与一は言います。「これは我慢比べ」だと。
守るものが無い圧倒的なサイコパス・与一と対峙して、徐々に困憊する主人公。
次こそはと思って戻った過去。
そこでは、主人公の大切なノアが殺害され、主人公の自宅に飾られていました。
言葉を失う主人公の前に現れる与一。「もう諦めな」と告げる彼を前にして、主人公はただ黙って俯くだけなのでした。もう彼は、過去には戻りませんでした。
希亜ルート④|最終決戦
主人公から連絡が無い事を不審に思った沙月とイーリスが目にしたのは、マンションに置かれたノアの遺体と共に呆然と日々を送る主人公でした。
心配する沙月に対して「もう構わないでくれ」と突き放し、主人公は再び一人に。
そして5月17日。
「・・・時が来た」
ついに、主人公は与一と対峙します。てっきり自暴自棄になったと思っていた主人公の登場に驚く与一。
しかし、主人公はこの時を待っていたのです。主人公が持っていたのは「オーバードライブ」では無く、世界線を繋ぐ力。その力を駆使して、4人のヒロインとのハッピーエンドをこの枝に繋ぎ、召喚します。
▼ ムネアツ・・・
四人のヒロインに見守られながら、能力を駆使して与一をボコボコにする主人公。その裏で沙月&ソフィが全ての世界線のイーリスを繋ぎます。そして最後はノアの「ジ・オーダー」により、イーリスは全ての世界線から完全に消滅したのでした…
再び過去に戻り、ノアとの幸せな日々を送る主人公。
しかしそこで、主人公が4人のヒロイン全員と中田氏セクロスをしていた事実がバレてしまいます。主人公はその時の記憶がないらしいですが…ほんとか?
▼ 許すけど…浮気したら死ぬからぁ(萌死
こんな感じでめでたく終わりです。
感想・考察
悪役としての深みが無い与一とイーリス
与一が敵になった理由は「ただサイコパスだから」
イーリスがアーティファクトを私的に使う理由は「魔術の才能が無かったから」
まあ良いんですが、なんというか悪に回った明確な理由がないんですよね。ただの悪、というだけ。だから深みが無い。
本当の悪は「自分が正義」だと思っている悪だと思うのです。「正義 vs 正義」のぶつかり合いであってほしかった。それをただ”サイコパスだから”の一言で片づけられてしまったのはちょっと残念。
9人目の所有者としてプレイヤー(俺ら)になるけどさ
「9人目の主役は・・・そう、このゲームをプレイしているアナタ」的な事を言われますが。ちょっと納得感が無いというか、これ必要?と思う設定になってしまったかなと。
本作は登場人物が余る事なくシッカリと物語に絡んでいるのですが、9人目の主人公(俺ら)の物語への絡み方は中途半端です。それ主人公じゃダメだったの?となってしまう。無理に絡ませる必要なかったんじゃないかと。
おわりに
長々と書きましたが、ここまで感想が書けるくらい良いゲームでした。
皆様も是非プレイしてみてください。